日本行動計量学会 第46回大会

柳井レクチャー

 第46回大会では以下のように特別講演「柳井レクチャー」を実施します。柳井レクチャーは、2013年に逝去された故柳井晴夫先生の、行動計量学に関するご業績および学会へのご貢献を顕彰するため2014年11月10日開催の理事会にて創設が決定されました。柳井レクチャーでは、故柳井晴夫先生のご業績に鑑み行動科学における計量的方法の理論と応用について、講演者を毎年1名選出し、大会時に1 時間程度の特別講演を行っていただきます。

日 時:
2018年9月5日(水)15:50~16:50
会 場:
慶応義塾大学 西校舎ホール
タイトル:
多次元尺度構成法 ― 対称関係から非対称関係へ ―
講演者:
岡太 彬訓(立教大学名誉教授)
司会者:
吉野 諒三(統計数理研究所)
概 要:
 多次元尺度構成法は心理学にその起源があり、当初は(非)類似度判断を表現する心理学のモデルであった。多次元尺度構成法は主として多次元空間に埋め込まれた点により対象を表現し、点間距離を(非)類似度に対応させるため、対象間の非対称関係を表現するのは難しかった。他方、(非)類似度判断の非対称関係に対する心理学的考察が試みられ、さらに、非対称(非)類似度に対応する多次元尺度構成法(非対称多次元尺度構成法)が何種類か導入された。また、心理学以外での非対称(非)類似度関係にも目が向けられ、非対称多次元尺度構成法を含む多次元尺度構成法は、心理学に限らずさまざまな分野のデータに潜む情報を幾何学的に表現して視覚に訴えて情報を提供するためのデータ分析の方法と見做されるようになった。非対称多次元尺度構成法には多様なモデルや方法が導入されたが、これらの中で最も基本的だと考えられる単相2 元(非)類似度を分析するためのdistance-radius モデル、および、特異値分解を用いたモデルを用いた方法を概観し、その課題を考え、現在行なっている取り組みの幾つかを述べる。